元気日記

2019.2 尾張旭市長選挙へ挑んで

2019年4月20日

【 取材記事/朝日新聞 2019.4.19 】

「女性であり、子育て中である」ことは、一部であり全てではない。という自覚。

【毎日新聞さん / 2019年4月13日(土)】
ガラスの天井 硬い愛知
女性市長村長 過去ゼロ
育児中出馬に支援者「なぜ待てない」

【朝日新聞さん / 2019年4月19日(金)】
子育て両立の議会 道半ば
欠席理由「出産」追加
視察行けず役職辞退

昨年は、読売新聞さんBS-TBSさんより
取材&報道によるフォーカスいただき
課題を整理する機会となりました。

これらの流れは、
昨年、2018年5月16日の参議院本会議にて
「政治分野における
男女共同参画の推進に関する法律」が
全会一致で可決され、
6月23日に公布、施行され、
(超党派の議員立法)

その後初の統一地方選ということで、
女性議員や女性候補者を
取り巻く環境について
取材いただいたという流れです。

「候補者男女均等法」ともいわれ、
国や自治体における政策の立案や決定に、
男女が共同して参画する機会が
確保されることが、
「多様な国民の意見が
的確に反映されるために一層重要」と
意義付けられ、

政党・政治団体には
男女の候補者数の目標を定めるなど
「自主的に取り組むよう努める」と
規定しています。

国や自治体には
実態調査や啓発活動、環境整備、
人材育成などに取り組むよう求めています。

取材をお受けするときに、
私が大切にしていることは、
以下の2点です。

1、『希少な経験を個人的な問題に留めず、
成熟社会のためのスキルとしていく』
感情と事実を切り分けて、
「事実」をお伝えし、
環境整備につなげていきたい。

・女性の参政権

戦後73年目。
女性に参政権を得てから73年目。

参政権は、投票だけではなく、立候補も。
その歴史の中で、のべ21,000人の
女性地方議員が存在するうち、
(私は4回当選なので、4カウント。
実数は、また、そこから減ることに。)
議員在任中に出産した議員は、
130人程度とのことです。

出産議員ネットワーク」として
全国超党派の地方議員の仲間と
活動していますが、
在任中4人の出産は、唯一自分だけの模様。

・「不備」ではなく、「未整備」として。

私の母が、当時38歳(私は14歳)の時に
町議会へ。
議会フロアに女性トイレが未整備だったと
聞きました。
宿泊を伴う視察も、
大部屋だったとか。

女性議員が、想定されていなかったために。
です。

その後、私たちの様に、
20代で議会へ。

議員在任中に結婚・出産を経験する女性議員が
誕生したことで、
新たに、出産にまつわる環境の
「未整備」を改善しようと
議論されるようになってきています。

・働き方によって、
保障されている内容が異なる現状。

現在は、労働基準法の中に、
出産休暇・育児休暇について
規定されているものの、
雇用関係の下、
「労働者」のみに適用され、
フリーランス・経営者・自営業の方々は、
法の外に居ます。

議員も、その一つです。

『どんな職業・立場にあっても
当たり前に妊娠・出産できる社会』
のために、
環境整備をしたい。

経験した課題を項目別に整理して
仕組みづくりに活かしていきたい。

議員に限らない部分では、
この4月から始まった、
国民年金保険料の
産前産後期間の免除制度も、
その一歩です。

「未整備ゆえに、困ったこと」を
被害者として語るのではなく、
「困った事実」から、
こんな仕組みがあるといいのでは?
と、
お話ししているつもりではありますが、
記者さまとの間に、
前提となる基本知識や経験が異なる上に
お話を組み立てていくことから、
「大変ですね~」という
感情が入ることで、
現状を否定的に受け留めてしまわれることも
あるかもしれません。

先輩世代の歴史上獲得してくださった
環境の恩恵により、
これらの経験を授かったことに、
感謝しています。

これからの世代の方々へ、
恩返ししていけますように。

2、「ママ議員、ママ候補者としての課題」と
「働くママ、多子子育てとしての課題」を
きちんと分けてお伝えし、
それぞれにおける環境整備は何か、
について社会を前に進めていきたい。

・課題1:就労証明と保育園

議員の身分は、
「非常勤の特別職」で、
雇用関係が無いために、
就労証明書を発行してもらうことができない。
ために、
保育園の申請書類はどうしているか?

全国の「出産議員ネットワーク」の
仲間の事例を聴く毎に
多様な自治体の考え方と
多様な対処をしてきた仲間の実践が
見えてきました。

・課題2:出産時の表決権の行使

議員活動は365日と言われる中で、
出産時のやむを得ない欠席によって
一番悩ましいのが、
本会議の表決権行使ができないという現状。

IPU列国同盟という
「ジェンダーギャップ指数」を
出している国際機関が
奨励している議会のスタンダードについて
日本国内でも議論され浸透されると
随分整備されることがある。

・課題3:出産休暇・育児休暇の
定めがない中で
いつまで休み、
いつから働くか。

全ては、自己判断であり、
その事への賛否評価も自己責任でお受けします。
自身の選択が、次世代の方々にとって
「前例」になってしまうことを考え、
できるだけ、一般化して
自分にルールを課そうとしました。

第1子の時には、それができましたが、
第2子、第3子、第4子、と
次第に、自分にとって、
「もう少し大丈夫だろう。」
「もう少し、無理できそう。」と
出産前ギリギリまで議会に立ち、
周りの議員の皆さんから
勧められて休みに入ったのが、
第4子の時。
出産2週間前に
一般質問に登壇しました。

産後は保育園の決まりで
預けられる最速日である
産後2か月の翌日から保育園のお世話になり
復帰しました。

授乳期間の復帰であるため、
休憩時に搾乳し、
冷凍母乳を翌日の保育園へ持参したり、
宿泊を伴う視察へは
行かない判断をしたこともありました。

・課題4:イメージと実際の違い。

出産直後の5日間入院期間について、
そもそも「出産」周辺の知識を
お持ちでない市民の方から、

出産した=「終わったんだね、明日から~」
と、すぐに日常へ戻れるとの解釈で
お電話いただいたり、
5日間の入院をお伝えすると、
「ハイリスク出産だったの?」と
驚かれたりしました。

また、選挙の際に、
取得していない「育休」のイメージで、
「議会を休んでばかり」とか、
「子どもの病気の度に簡単に休む」など、
実際には、会社員の夫が
すべて対応してくれたにもかかわらず、
あらゆる「作り話」をバラまかれました。

いわゆる「ネガティブキャンペーン」
というものです。

在任中63回定例議会があり、
その内、60回の質問に立っており、
記録をみれば、
「休んでばかり」ではないことは
証明できますが、
「イメージ」で信じてしまわれることも
課題の一つかもしれません。

長く書きましたが、
これらは課題の一部であって、
全てではありません。

議員に限らず、
「妊娠してすみません、出産してすみません」と
謝ってばかりの現状があるとするならば、
一歩前へ、進めていきたいと
仲間と共に活動していきます。

「いつ、産むか。」
これは、自己決定の問題で、
誰にも踏み込めるものではない
「人権」です。

望んで授かり、
産むことを望んだならば、
それを社会全体で歓迎できる社会に。

出産がリスクにならない社会に。

女性であること、
子育て中であること、は
私の一部であり、
全てではありません。

一人の政治家志望者として、
自分を鍛えていく上で、
これらを言い訳にしているかのように
受け留められる危うさも
意識しています。

課題を見える化していくことで
多様な立場の政治参加を
目指していきたい。

ブレない考えを
適切に届く表現で
発信していく修行中。

引き続き、どうぞ、
よろしくお願い致します。

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